大腸ポリープ

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大腸ポリープとは?

大腸ポリープとは?

大腸ポリープは、大腸の内壁に発生する隆起性の病変です。大腸がんの多くは、大腸ポリープ(特に腺腫性ポリープ)が成長する過程で発生すると考えられているため、がん化のリスクがあるポリープは、早めの切除が推奨されます。

大腸ポリープや初期の大腸がんは、発生しても自覚症状として現れることが稀なため、知らない間に大腸がんとして進行しているケースも見られます。特に近年では若い世代の女性に大腸がんが増えているので、定期的な内視鏡検査(大腸カメラ)の必要性がますます高まっています。

大腸ポリープの症状

大腸ポリープの多くは無症状で経過しますが、ポリープが大きくなったり、がん化が進行したりすると以下のような症状が現れることがあります。

  • 原因不明の腹痛
  • 便に血が混じる(鮮血や暗赤色の便)
  • 便通異常(下痢や便秘)
  • 便が細くなる、残便感がある
  • お腹が張る(腹部不快感)
  • 貧血
  • 急な体重減少 など

大腸ポリープの種類

大腸ポリープには、主に以下の種類があります。

腺腫性ポリープ

大腸ポリープでは特によく見られるタイプで、将来的ながん化のリスクが存在します。これが10mm以上にまで成長した場合は、発がんリスクの高いポリープであり、早めの切除が推奨されます

過形成性ポリープ

通常は良性で、直腸やS状結腸に多く見られます。がん化のリスクは低いですが、大きさや位置によってはリスクが高まることもあります。

炎症性ポリープ

大腸の慢性的な炎症によって形成されるもので、通常はがん化のリスクはありません。

若年性ポリポーシス

全消化管に良性の若年性ポリープが多発する遺伝性疾患です。多発するポリープによって、貧血、腹痛、血便が認められる事もあるため、定期的に大腸内視鏡検査を行い、ポリープを切除することが必要です。

大腸ポリープの原因

大腸ポリープの主な原因やリスク因子には以下のようなものがあります。ポリープが生じても自覚症状として現れにくいので、特に発症リスクの高まる40歳以上の方は注意が必要です。40歳以上でこれまで一度も大腸カメラを受けたことがない方は、症状の有無にかかわらず、一度検査を受けることをおすすめします。

  • 加齢(40歳以上でリスクが高まる)
  • 食生活(高脂肪、低繊維質の食事)
  • 喫煙
  • 肥満
  • 運動不足
  • 遺伝的要因
  • 炎症性腸疾患の既往 など

大腸ポリープの検査

大腸ポリープの診断では、主に以下の検査を用います。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

内視鏡を用いて大腸内を直接観察します。大腸ポリープの確定診断のほか、大腸がんとの鑑別(生検診断)や治療(切除)にも対応できるため、大腸がんの診療において必須と言えます。

便潜血検査

ポリープからの微量の出血(便潜血)を検出します。大腸がん検診で広く行われる検査ですが、他の消化器疾患や痔などでも便潜血は生じるため、あくまでスクリーニングのための検査です。

大腸ポリープの治療

病態にもよりますが、大腸ポリープが発見された場合は、早期の切除が推奨されます。ほとんどの大腸ポリープは、内視鏡を用いた切除(内視鏡治療)が可能であり、検査中も実施できます。

当院でも、治療に伴うリスクが低いと判断したポリープに対する、日帰りでのポリープ切除(コールドポリペクトミー)を実施しています。その他の方法での切除が必要になる場合には、適切な医療機関へ迅速にご紹介いたします。

コールドポリペクトミー

ポリープにスネア(金属の輪っか)を通し、締めつけて切除します。一時的な出血が生じるものの、周囲への影響が少ないのが特徴です。比較的低侵襲な方法ですが、大きなポリープや穿孔等のリスクがある場合には適用できません。

ポリペクトミー

ポリープにスネアをかけ、通電させて焼き切る方法です。コールドポリペクトミーと似ていますが、こちらは出血を抑える効果があります。その一方で、穿孔(大腸の粘膜に孔があくこと)のリスクが存在します。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

ポリープの下部に液体(生理食塩水など)を注入して浮き上がらせ、スネアを使って粘膜ごと焼き切ります。ポリペクトミーでは難しい、平らなポリープの切除に適しています。