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骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症は、骨密度が低下し骨がもろくなる疾患です。骨は常に新しい骨に作り変えられていますが、この過程で骨吸収と骨形成のバランスが崩れると骨粗しょう症になります。加齢や閉経後は特に骨吸収が骨形成を上回りやすく、骨がスポンジのようにスカスカになっていきます。
骨粗しょう症は、背骨など重要な骨の骨折リスクを高めてしまうため、放置・進行は要介護状態や寝たきりの原因となる可能性があります。明確な自覚症状がないまま進行するため、早期発見と対策が重要です。
骨粗しょう症の症状
骨粗しょう症の症状は、初期段階では気づきにくいものの、進行すると以下のような兆候が現れることがあります。一度低下した骨密度の回復は困難であり、骨折によって生じた姿勢の矯正には外科処置が必要となるため、いかに進行させないかが鍵となります。
初期~中期の症状
- 身長の低下(2~3cm以上)
- 背中や腰の痛み
- 姿勢の変化(猫背になる) など
進行期の症状
- わずかな衝撃での骨折
- 背中の湾曲(いわゆる「腰が曲がる」状態)
- 呼吸困難(胸郭の変形による)
- 消化器症状(胃の圧迫による胸焼けなど) など
骨粗しょう症の原因
骨粗しょう症には様々な要因が関与していますが、主な原因として以下が挙げられます。骨の代謝には女性ホルモンが大きく関与しているため、骨粗しょう症は女性に多く見られます。特に女性ホルモンが大きく減少する更年期(45~55歳ごろ)以降に起こりやすいため、注意が必要です。
- 加齢による骨量減少
- 閉経後のエストロゲン(女性ホルモン)減少
- 内分泌疾患(副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症など)
- 慢性腎臓病
- 関節リウマチ
- カルシウムやビタミンDの不足
- 運動不足 など
骨粗しょう症の検査
骨密度を測定することで、骨粗しょう症の進行や将来的なリスクを評価します。当院では以下の方法による骨密度検査を行っています。
DEXA法(DXA法)
2種類のエネルギーのX線を用い、腰椎や大腿骨頚部などの骨折リスクが高い部位の骨密度を測定します。高い精度での骨密度測定が期待できます。
MD法
手のレントゲン写真を撮り、第二中手骨の骨密度を判定します。短時間で簡単に実施可能で、骨粗しょう症のスクリーニング目的で広く実施されています。
QUS法
超音波を用いて主に踵骨の骨密度を測定します。放射線被ばくがなく、骨の硬さも評価可能です。
骨粗しょう症の治療
骨粗しょう症の治療では、骨折予防と骨量増加を目的として、以下の治療法を組み合わせて実施します。同時に定期的な経過観察を行うことで、治療効果の確認も行います。
薬物療法
骨粗しょう症治療の基本は薬物療法となります。骨密度、骨代謝のバランスなどを踏まえ、適切な薬剤を組み合わせることで、骨密度の改善や低下の予防を行います。
- 骨吸収抑制薬(ビスホスホネート製剤など)
- 骨形成促進薬(テリパラチド製剤など)
- 骨代謝を改善する薬(活性型ビタミンD3製剤など)
生活習慣の改善
骨密度低下の原因となる要素を生活から排除しつつ、適度な運動によって骨の強度アップを図ります。
- カルシウムとビタミンDの摂取増加
- 適度な運動(ウォーキング、筋力トレーニングなど)
- 過度の飲酒を控える など